アニメ化50周年記念!ルパン三世と宮崎駿監督の関係を総ざらい!

みなさんこんにちは。まぎょーまです。

突然ですがルパン三世はお好きですか?アニメが数多く制作されているので私たち40代にとっては子供の頃から慣れ親しんだ作品のひとつではないかと思います。

残念ながら原作者のモンキーパンチ先生は今年の4月に亡くなられました。

原作コミックが週刊漫画アクションで連載スタートしたのが1968年。

その翌年の1969年にアニメ版パイロットフィルムが制作されています。

まさにちょうど50年前のことです。

1971年には最初のテレビシリーズが放送開始。

このファーストシリーズに若かりし頃の宮崎駿と高畑勲がメイン演出で参加していたのは割と有名な話です。

宮崎駿が関わったルパン三世は、このファーストシリーズと劇場版カリオストロの城、そして新ルパンと言われるセカンドシリーズになります。

これがまた今観てもすばらしい出来栄えの作品ばかり。

カリオストロの城を除いて、アニメマニア以外はあまり観ることもないかと思い、日本が誇る巨匠である宮崎駿監督の若き日の傑作をご紹介させていただきます!

ルパン三世ファーストシリーズと宮崎駿

 

最初のTVシリーズが放送されたのは1971年。

 

監督が大隅正秋さん、作画監督が大塚康生さん、音楽は山下毅雄さんという布陣でスタートしました。

 

初期の話(1話~6話)はかなりアダルトテイストで、最近の名探偵コナンとコラボしちゃうようなルパンから入ったヤング達には想像もつかないようなハードボイルド加減でした。

(・・・といいつつ、これまた最近のTVシリーズであるパート4やパート5、そして峰不二子という女ではこの初期ルパンのテイストに近いものがあるので、原点回帰しているかもしれません)

 

TVアニメといえば小さなお子様向けしか無かった1970年代初頭。当然と言えば当然ですが、視聴率は低調。よみうりテレビやスポンサーの逆鱗に触れてしまいます。

 

子供向けに路線変更を要求する制作会社(東京ムービー)に反発し、大隅監督は降板。

 

作画監督の大塚康生さんは東映動画時代の同僚、高畑勲さんと宮崎駿さんに演出を依頼する・・・といった経緯で宮崎駿監督がルパン三世に関わることになりました。

 

全23話で打ち切られたファーストシリーズですが、クレジット上の演出は1~6話、9話、12話が大隅監督で、それ以外が【Aプロダクション演出グループ】という名前で高畑、宮崎両名が演出をしています。

(厳密には大隅演出をベースに修正を加えた話もあるようなので正確に棲み分けができるわけでは無いみたいです)

特に13話以降はコミカルなストーリーが増え、作画面も宮崎駿監督が原画を描いていると思われる個所も多くなってきます。

(上記の比較画像右側は多分宮崎監督の作画かと思われますが、明らかに画風が違いますよね)

 

最終話【黄金の大勝負!】でフィアット500に小判を詰め込んで走るシーンなんかはカリオストロの城に通じるところですね。

 

ちなみに動画配信サービスU-NEXTでは全話見放題で視聴可能です!



ファーストシリーズの再評価、そしてカリオストロの城まで

さて、ファーストシリーズは高畑、宮崎両名の演出にバトンタッチしたことで子供向けの内容が増えて視聴率も上昇傾向にはなりましたが、結局は全23話で打ち切り。

 

しかし再放送で高視聴率をマークし、大隅演出、高畑&宮崎演出ともに再評価されます。

 

その再評価を受けて、5年後の1977年にTVアニメセカンドシリーズの放送がスタートします。

 

このシリーズは3年間に渡って全155話が放送され、ルパン三世の人気を不動のものにします。

 

放送開始翌年の1978年には劇場版第1作となる【ルパン三世 ルパンVS複製人間】が上映。

 

こちらの劇場版もヒットし、翌年には劇場版第2作となる【ルパン三世 カリオストロの城】が上映となります。

 

宮崎駿監督はまたもや大塚康生さんからの依頼でカリオストロの城の監督を引き受けます。これが宮崎駿監督の映画監督デビュー作となります。

 

(ちなみに1978年にNHK初のTVアニメシリーズ【未来少年コナン】で正式に初監督をしており見事な名作を作られています)

 

当時TVアニメ【赤毛のアン】に参加していた宮崎駿監督はそれを降板して映画製作に乗り出しました。

 

製作期間は僅か半年。今の基準で考えると恐ろしいほどに短い製作期間と少ないスタッフで1本の映画を作り上げています。

 

宇宙戦艦ヤマトの劇場版公開が1977年。そこからアニメブームに火が付き1979年は機動戦士ガンダムが放送開始と、世はSFアニメ全盛。

 

カリオストロの城は地味な印象を受けたのか、前作ほどのヒットにはなりませんでした。でも大藤信郎賞を受賞するなど、アニメ関係者やコアなアニメファンには高評価を受けておりました。

 

そして再上映やTV放映などで一般的にも名作であることが認知され、宮崎駿監督の名を世に知らしめる作品となります。

 

私は宮崎監督作品の中で紛れもなくナンバー1の作品だと思っております。

 

公開から40年が経過しましたが、2019年7月に4K版が発売されたり、11月8日より4D版が公開されたりと、今なお進化しつづける名作中の名作です。

 

ちなみにU-NEXTはカリオストロの城も見放題!どんだけ大盤振る舞いですか!

 



そしてルパン三世セカンドシリーズでの宮崎駿監督参加回をご紹介!

カリオストロの城は今でも金曜ロードショーで定期的に放送されているのでご覧になっている方が多いと思いますが、この映画の上映後、TVシリーズのルパン三世に宮崎駿監督が演出として参加した2本をご覧になっている方は恐らく少ないのではないでしょうか。

 

参加回はセカンドシリーズ145話と最終回になる155話。

 

では、ちょっとだけネタバレありで詳しく解説してゆきましょう。

 

カリオストロの城公開後、宮崎駿監督が照樹務(テレコム?)というペンネームでカリオストロのスタッフを引き連れて制作、放映された2本です。

 

ペンネームは当時宮崎監督が所属していた【テレコム・アニメーションフィルム】をもじったものらしいです。

 

 

145話『死の翼アルバトロス』

いや、なんかタイトルめちゃかっこいいじゃないですか。

 

ルパンも次元も不二子ちゃんも大半が半裸状態で大暴れする痛快アクション編です。

 

なんかもう、宮崎監督の趣味全開といったオートジャイロや飛行艇の空中戦闘、冒頭のすき焼きシーン、不二子ちゃんのほぼすっぽんぽんのぽん状態での格闘など、とても30分番組とは思えない密度です。

 

総作画枚数は9000枚と、通常のTVアニメの2倍以上。

 

今観ても見劣りしないどころか、新しささえ感じる名作です。

 

 

155話(セカンドシリーズ最終話)『さらば愛しきルパンよ』

カリオストロとナウシカとラピュタが一気にまとめて30分で観られるお得な作品(笑)

 

ロボット兵器ラムダの元ネタはアメリカのTVアニメ【スーパーマン】が元ネタらしいですが、もう、見るからにラピュタに出てくるあれですし、ヒロインの小山田マキは(声優も含めて)もろにナウシカです。

 

カメラマンの不二子ちゃんや、ヒロインとルパンの別れなんかは(声優の島本須美さんを含めて)カリオストロを彷彿させます。

 

こちらの作画枚数は12000枚!40年前の新宿が描かれていますが、その作画密度は惚れ惚れします。

 

本物のルパンが最後まで登場しないのも粋ですよね。

 

この2作品は軽くなりすぎたセカンドシリーズのルパンに不満を持った宮崎監督がアンチテーゼとして作ったとか、そのため赤ジャケットをほとんど着ていないとか、あまりにも作風が違いすぎてテレビ局が放送を中止しようとしたとか様々な逸話がありますが、面白いのでそれでよし!です。

 

また、この2作品を含め、テレコムが制作した回はファーストシリーズやカリオストロ調の作画となっており、等身も低めに描かれています。

 

宮崎駿監督の作画面での特徴は影をあまり付けずに動きで立体感を表現することがひとつ挙げられると思いますが、だからこそ今観ても新しさを感じるのかもしれません。

 

なんと、この2作品もU-NEXTで見放題!この記事を書きながらスマホで一気観してしまいましたよ!

 

 



最後に・・・

いかがだったでしょうか。

こののちに改めて宮崎監督にルパン三世劇場版新作のオファーが来たそうですが、『もうルパンはやらない』と断り、当時【うる星やつら ビューティフルドリーマー】で飛ぶ鳥を落とす勢いだった押井守監督を指名。

 

当時のアニメ誌ではスタッフまで発表されましたが結局お蔵入りとなってしまった、というのもアニメファンには有名な話。

 

新たな宮崎版ルパンが観られなくなったのは残念ですが、今回紹介した作品はどれも視聴後の満足度が高いものばかりです。

 

そして何度も観たくなります。

 

秋の夜長にぜひご覧いただきたいと思います。

 

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ルパン三世はまたの機会に語ります。(出崎統監督のTVスペシャルとか)

 

最後までお読みいただきありがとうございました!